住宅ローンの繰り上げ返済はしない。契約者の8割が繰り上げ返済を考えるものの、経験者の半数が後悔していると言う事実。

住宅ローンの繰り上げ返済はしないに限る。

 

先日、60歳の男性@東京都在住に「京都に終の棲家を購入したい」と相談を受けました。

「夫婦の出会いが京都で、結婚して上京、そして起業。それからずっと東京在住。
子どもは居ないから、会社を譲渡する準備が整ったら引退して、その後は京都でのんびり過ごしたい」と・・・

 

こんにちは、LEIです。

「60歳で住宅ローンなんて・・・」と思われるかもしれませんが。

ふつうに10年@3000万円の住宅ローンを組まれました。

金融機関によりますが、たいていは65-70歳の誕生日前日までなら借入が可能ですし、75-80歳で完済できる条件が整っていれば何ら問題なく、貸し出し可能です。

この方は、相応の資産をお持ちになられていた分、貸出が有利になったのですが・・・

 

どうも、世間一般では「住宅ローンは若いうちに借りて早く返済するのがカシコイ」と言う風潮があるようですが、わたしはいつも、これに疑問を感じます。

果たしてそうでしょうか(もちろん、個人個人、それぞれの状況や考えによって異なると思いますが)

確かに、住宅ローンは「若いうちに借りるほうがメリットがある」と言うことは、下記に説明しています。
が、わたしはどうしても繰り上げ返済をするのがカシコイとは思えないんです。

そこで今日は、わたしが繰り上げ返済をおススメしない理由を説明します。

 

いや、本当に繰り上げ返済ほど効率の悪いものないよ。
せっかく天下の銀行様(?)が「お金を貸してくれる」んだから、カシコク利用してやりましょう。

銀行に預金にしている限り、わたしたちは銀行の間接金融義務を助けてあげてるんですから。
(雀の涙ほどの利息しかもらえないのに)

返済が滞りさえしなければ、貸し続けてくれるんですから。

 

 

住宅ローンを組む平均年齢は39歳。
30代半ばで住宅ローンを組めば、完済年齢は最長80歳まで伸ばせる。

「繰り上げ返済をしない」説明をする前に、一般的な住宅ローンのデータをまとめてみました。

リクルート住まいカンパニーが行った「 2016年関西圏新築マンション契約者動向調査 」よると、契約世帯の世帯主年齢は「30~34歳」が最も多く28%、以下「40代」が23%、「35~39歳」が19%平均年齢は39.5歳となっています。

 

ちなみに・・・ ライフステージは子供あり世帯が40%、夫婦のみ世帯31%、シングル世帯14%。

30代と言うのは、本当にいろいろな局面で資金が必要になってくる年代です。

・教育資金
・老後資金
・住宅資金

たいていの金融機関は、75-80歳までを完済年齢と仮定しているので、
30代と言うのは、社会的にも身体的にもひとつの区切り年代であると言えますね。

 

住宅ローンは若いうちに借りるのが良いと言われていますが、「若いうちに住宅ローンを組むメリット」として、以下のようなことが考えられます。

 

・健康状態:団体信用生命保険に加入する際告知事項によっては住宅ローンが組めないことも

・収入増額:「これから収入増が見込める」ことで、審査が有利になることも

・長期借入:若いうちに借りれば、最長期間で長く借りられる

 

と言うところでしょうか。

確かに、これらの理由は審査をする上でとても大事なことになってきます。

 

事実、国土交通省の住宅局がH29年3月に発表した「H28年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、
住宅ローンの審査をする際に重視されるトップ3の項目が以下の通りとなっています。

1.完済時年齢・・・98%
2.健康状態・・・97.6%
3.借入時年齢・・・97.6%

確かに、住宅ローンを借りるなら、「若くして借りるほうが何かと得」と言うことは、わかります。

 

さてここからが本題、「繰り上げ返済で早くローンを完済する」と言うのは、
・・・どうでしょうか。

 

 

繰り上げ返済を考える人は、契約者の8割。
経験者の約半数は、繰り上げ返済を後悔しているという実態。

 

それでも、繰り上げ返済をしますか?

東京スター銀行が、2010年に発表した「住宅ローンに関する意識調査」によると、住宅ローン保有者のうち、42.6%が繰り上げ返済の経験があるとし、85.7%の人が「繰り上げ返済を望んでいる」との回答をしていることがわかっています。

そしてその理由を見てみると、

1.支払う利息の総計を減らしたいから・・・64.5%

2.なんとなく借金は早く返す方が良いと思うから・・・11.8%

3.早く完済して別のことにお金を使いたいから・・・6.8%

・・・たしかに。

金利1%で住宅ローンを借りたとしても、(30歳の男性が35年間で3,500万円の住宅ローンを元利均等返済借入すると仮定)返済額合計は、最低でも41,495,820円。

+600万円ほどの利息を支払わないといけないことになります。

これが仮に変動金利で借り入れしていた場合、金利が上昇すれば、返済する利息はもっと増えるわけです。

600万円もの利息を余分に支払うなら、さっさと繰り上げ返済して少しでも元金を減らす方が良い。

600万円と言う数字は大きい。
・・・確かに、繰り上げ返済したいと言う気持ちは痛い程わかります。

 

各金融機関も、「繰り上げ返済は、1円からでも可能」「繰り上げ返済の手数料は、何度でも無料」と謳っているところもあるので、「少しでもまとまったお金が出来たら・・・」と繰り上げ返済を励まそうとします。

 

実際に、↑の条件(30歳、3,000万円@35年、元利均等)でまとまったお金が出来たからと、住宅ローンを借りて1年後、期間短縮型で100万円繰り上げ返済した場合。
(三井住友銀行の繰り上げ返済シミュレーションを採用)

総返済額は、約40万円軽減できます。
残存期間も、34年から32年10ヵ月と14カ月も短縮。
100万円の投資先としては、上々!

・・・と、わたしには思えないんです。

住宅ローンを返済する人の多くが、
子育て世帯、そしてこれから介護世帯に突入していくじゃないですか。

 

 

繰り上げ返済のデメリット。
わたしが繰り上げ返済をしない(おすすめしない)理由。

 

他方、同レポートによると、繰り上げ返済を経験した人のうち、約4割が「繰り上げ返済にはデメリットがある」と回答もしています。

そしてその一番の理由からが、「手元の現金が減る(76.6%)」と言うもの。

1.手元の現金が経る(生活費の不足や急な出費に対応できなくなる)・・・76.6%

2.団体信用生命保険の権利放棄・・・23.8%

3.返済期間を1度短縮すると再延長ができない・・・17.6%

 

「長く借りてしっかり返す」が基本
わたしが繰り上げ返済をおススメしない3つの理由

 

✔ 団体信用生命保険のメリットが享受できなくなる

住宅ローンを契約する際、強制的に「団体信用生命保険」に加入させられます。

団体信用生命保険は、
・債務者が死亡した場合
・高度障害と認定された場合
住宅ローン残高がゼロになります。

この保険は、銀行がわたしたちを被保険者にして、自ら債務をこうむらないようにしているもの。
わたしたち債務者が被保険者となるものの、保険金の受け取りは銀行です。

例えば、35歳で3,500万円の住宅ローンを組んだとします。
(元利均等返済)
仮に固定金利2%だった場合、総支払額は、 48,695,500。毎月の支払は 115,941円。
死に物狂いで、繰り上げ返済を繰り返し、60歳で住宅ローンを完済したとします。
25年間で債務を返済した!

仮に繰り上げ返済をしなかった場合、
60歳時点で残っている債務は、115941×12×25=34782300.
13913200円未済ですが、・・・

・・・けれども、翌年、交通事故等で高度障害状態と診断されたら。
その時点で住宅ローンの残高はゼロ。

どんなに頑張って繰り上げ返済をしたとしても、
1000万円以上を返済するのは、本当に大変。。。

でも、団体信用生命保険に加入している限り、「万が一」の時の保障はしてもらえるんです。
そのために、団体信用生命保険に加入させられますし、月々の住宅ローンの返済金額分に、
保険料も含まれているんです。

病気で働けなくなった場合に備える必要はありますが、
繰り上げ返済をしようとする分を、「万が一」の時にそなえて預金している方が賢明です。

 

✔ 繰り上げ返済分の資金を手元に蓄えておく

頑張って繰り上げ返済を返済。

 

✔ 住宅ローン控除を最大限に利用

住宅ローン控除とは、 住宅ローン控除は、年末の住宅ローンの残高の1%が、その年の所得税から10年間控除される制度です。

借入金額や納税額、購入する住宅の仕様によって控除額は異なりますが、
10年間は「国がローンの負担を軽減してあげる」と言うのですから、そこは堂々と援助してもらってもいいんじゃないでしょうか・・・

10年間は借入金額が多いほうが、控除も多く受けられますから。

例えば、↑と同じ条件(年収500万円、3,500万円@30年、元利均等返済)で計算した場合、
借入年から10年間は約22万円の住宅ローン控除を受けることができます。
22万円×10年間=220万円。。。

 







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